【コラム】BGMは誰が使ってくれるのか・誰に届くのか

BGMを作っているクリエイターからすると、誰がどんな場面でBGMを利用しているのか気になるものです。使用されている現場の声が聞こえてくると単純に嬉しいですし、次の作品作りへのモチベーションにもなります。また、どんな場面で使用されているかを知ることは、需要を知るということであり、売れる・広がる可能性の高い作品作りができます。

気になるBGMの使用用途

素材配布サイト「DOVA-DYNDROME」さんでは、登録した音源に対して「使用報告」ができるようになっていて、数こそ多いわけではありませんが、ちらほらと現場の声を頂きます。

フリーBGM(音楽素材)無料ダウンロード|DOVA-SYNDROME

直近10件ほどのメールを見てみたところ、使用用途としては

  • 自主制作DVDに・・・1
  • You Tubeの動画に・・・4
  • 自主制作ゲームに・・・1

となっていました。この他にも、「使用させていただきます」のような使途不明のメッセージや、「ハヤシユウさんの曲がとても好きです」のようなファンメッセージもいくつかありました。いずれにせよ、面倒なアクションを起こしてメールを送ってくださって嬉しい限りです!

フリー素材の配布を始めた頃(3年前)にはスマートフォン用アプリケーションのBGMも報告が多かったのですが、最近はもっぱらyoutubeが多い印象です。youtubeの中でも、youtuberのコンテンツ動画、自然を撮影した動画、ドローン映像、など多岐にわたります。

BGMを使用するのは、大半がクリエイターである

DOVA-SYNDROMEも大きなサイトですので、リスニングのみのユーザーも少なくはないと思いますが、上記の報告でもわかるように、BGMを使用するのはほとんどがクリエイターです。動画を作りたいからBGMを探す。ゲームを作りたいからBGMを探す。お店を作りたいからBGMを探す。

しかし、よく考えてみれば、クリエイターがいれば、それを受け取るカスタマーもいるわけです。クリエイターへ届けられた音楽は、その先のカスタマーへ波及していきます。”その先”からは使用報告が来ることはないので、どうしても忘れがちな視点なのですが、自分の曲を無意識に聞いている人は実はけっこう多いのかもしれません。

“その先”のメッセージ

先日、twitterでとある高校生から嬉しいメッセージが届きました。僕自身もtwitterで書いちゃいましたけど、自分の楽曲「さよなら学び舎」が気に入ったので、楽譜をください、というものでした。そんなわけで、楽譜を販売することにしたんですけど、やっぱり高校生でクレジットカードも持っていないのです。そこで今回は特別取引ということで、無料でプレゼントする代わりにどうしてこの楽曲にたどり着いたのか聞いてみました。高校生がなぜBGMを探しにDOVAへたどり着くのか?ということがとても気になったのです。

その子の回答は、「ムービー制作アプリで楽曲を見つけて、気に入ったので曲名で検索してみました」とのことでした。なるほど、そういうルートがあったか!

以前、制作側から、「ムービー制作アプリに使用させていただきます」という使用報告をもらったこともありますが、そこで自分の思考は完結してしまって、その先までまったく意識が向いていませんでした。そうか、アプリがあるんだから使う人がいて、曲を使ってくれてるから聞く人も増えるわけですね。今、すごく当たり前なことを書いていますね(笑)

でも、ここで注目すべきは、その高校生もまたクリエイターなんですよね。ムービー制作アプリを使って、思い出の動画を作って、クラスメイトや恋人に披露することでしょう。そうしてまた、BGMが日本の何処かへ広がっていく、そんなことが毛細血管のように起きていて、なんだか胸が熱いですね(毛細血管はたとえがきれいじゃないな)。

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とは言え、使用報告が来るクリエイターにささるBGMを作らなければ、そもそも使っていただけないので、その先も何もないんですけどね。ふと、どんな人が自分のBGMを聞いているのか、気になって文章にしてみました。

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