ライブハウス問題の行く末―ライブハウスの多様化を目指す

少し乗り遅れてしまいましたが、先日話題になっていた海保さんのこの記事。

動員の少ないバンドはライブするのを止めてもらえないだろうか | 海保けんたろーの思考集積場

一読したところ、個人的には(やはり表現に誇張やトゲのあるものの、)全面的に賛成な記事でした。今回は攻撃的なタイトルもあって、批判的な意見も数多く目立ち、大きな渦が巻き起こっていました。賛成意見・反対意見の中には的はずれな感情論もあったのですが、バンドマン・ライブハウスの当事者それぞれがライブハウスのことについて考える、いいきっかけになったと思います。ありがとう、海保さん(偉そうにごめんなさい)。

せっかくの流れなので、僕個人の目指すライブハウス業界の行く末について、今回は書いてみたいと思います。

結論:ライブハウスの多様化を目指す

最初に書きたい結論を書いておきます。ライブハウスは、もっともっと多様化して、自由になっていっていい。それ、ライブハウスって呼べるの?というライブハウスがどんどん出てきてほしいし、出てくるようになると思います(僕のプランは後述)。

今のライブハウスが自分にあっている人もいれば、あっていない人もいる。あっていると思っている人の中にも、実は違う形態の方が向いていた、というパターンもあります。とにかく、「ライブハウスはこの形態が正解!それ以外は悪!!」ということは絶対にありえないのです。

個人的なライブハウス事情

僕が初めてライブハウスに足を運んだのは高校3年生のときで、友人のバンドからの誘いでした。友人は当たり前のように「料金は1,500円で、ドリンク代別ね」と教えてきてくれたのですが、正直なところ「趣味でやってるのにお金をとるの??」と不思議に思った記憶があります。当日は(ドリンク代別なら、水でも持参しよう)と思ってペットボトルの水を持参したのですが、受付では「ドリンク代合わせて1,300円です」と、もはやドリンクのあるなしを選ぶ選択肢もないのです。それならば、「ドリンク代別」という表記ではなく、「ドリンク代必須」という表記にしてほしい、と思いました。

肝心のライブも、なんだか本人たちだけが楽しそうで、客席はしーんとしていました。作曲をしている僕からすると、曲のクオリティも本当に低い。会場はすでにバンドマンと一部のファンのコミュニティが出来上がっていて、寂しさというか仲間はずれのような虚しさも感じるし、みんなタバコは吸っているし、初見さんに対しての愛想が悪い。2時間立ちっぱなしで、友人以外のよくわからない対バンも見て、足も心も疲れて帰ってくる、というトラウマに近い初ライブハウス体験でした。

そんな経験もあって、僕自身はライブハウスに対して恐怖心を持っていて、極力遊びに行かないようにしています。その代わりこんなライブハウスなら行きたくなる、というのをよく考えていました。とにかく思い立ったらブログやtwitterに書き出していました。

▲当該記事はリンク切れのため閲覧不可。

▲疲れたら帰る、という失礼な行為も平気でしている。


▲逆に、オープンでウェルカムな場所作りをしたい。


▲聞かなくてもいい、という究極の自由。


▲星川さんブログへの言及。少しずつライブの多様化が広がっている気がしています。
挙句の果てには、ライブハウス恐怖症だからライブハウス以外で楽しめる音楽イベントを紹介するWEBマガジンを作ってしまいました。

 

個人的なプラン

これらのことを踏まえて、僕が作りたい(いつの間に作りたくなってる)ライブハウスの条件を箇条書きにしてみました。反対意見ももちろんあると思いますが、反対な人は自分で好きなライブハウスを見つけるか作ってください。多様化というのは、そういうことです。

夢物語みたいなことを書いていますが、実際それをどうやってカタチにするのか、ということも徐々に肌感覚でわかってきています。

  • オープンな空間で、誰でも入りやすい
  • 初見さんに対してウェルカムな雰囲気
  • 家賃と人件費を抑えて、無理なくサスティナブルな運営
  • ライブは週に1〜2回、その分フライヤーやイベント作りをしっかり
  • 特別な照明はなし、機材はシンプルに
  • 音楽をずっと聞いていなくてもいい空間
  • ここにくれば、すてきな人・音楽に出会えるという保証のある場所
  • 音楽キュレーション効果のあるハコ作り
  • 軽食やカフェはケータリング
  • チケットノルマを廃止、アーティストに対価を支払う
  • ライブハウスだけの機能ではなく、音楽大学 / 音楽図書館(コワーキングスペース) / 中古楽器屋 / 軽食カフェも併設した、「音楽のよろず屋」

雑誌で言うなら、ソトコトのようなライブハウス、といえばその筋の人には伝わるでしょうか。

僕は「音楽を通して、すてきな人に出会う」というのが、何よりの楽しみだと思っています。

 

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