ハヤシユウです。今回は下記事の続きにあたる、ファンクの作り方について書いてみます。
ファンクはリズムが命
ブラックミュージックの中でも、ファンクを始め、ジャズやブルーズなど、様々なジャンルがあります。その中でもファンクはとりわけ、リズムが独特なジャンルです。ほとんどの場合、ファンクは16ビートで、16分音符を感じるリズムを作ります。
また、アクセントの位置も重要です。
上図のように、適度に16分音符の裏にアクセントが来るとファンクっぽいリズムになります。譜例はあくまでも一例で、実に様々なリズムパターンがあります。色々なパターンを聞いて、試してみてください。
このアクセントをもとに、実際にドラムパターンを組んでみます。
ドラムももちろんですが、ベースやギター、無論ピアノも、こういったアクセントに従うとファンクっぽくなります。
STEP1. ワンコードで骨組みを作る
ファンクの基本は、ワンコードをリズミカルに鳴らすことで出来上がります。その中でちょっとスライドしたり、相性の良いコードを挟んだりして広がりを出していくのですが、まずはワンコードでの作曲をしてみましょう。
今回は、前記事でもとりあげたファンクミュージックと同じ、「Dm(ディー・マイナー)」のキーを選びます。使うコードももちろんDmです。
譜例1. 右手はDmの・左手はベース音と、第7音のゴーストノート
これでも十分ファンクっぽいのですが、ここに色々と味付けを加えていきます。
STEP2. テンションノートを加える
譜例2. 右手はDm9・左手はベース音と、第7音のゴーストノート
右手に9thの音(この場合、ミの音)を加えてみました。9thの音を始めとしたテンションノートは、ファンクっぽさをさらに演出させます。この場合、「レ・ミ・ファ」の音がぶつかりますが、レの音を省くとしつこくならないでしょう。レはベースで鳴らしているので、無くても大丈夫です。
STEP3. サブドミナントコードをはさむ
譜例3. 譜例2に加え、Gのコードをはさむ+リフを入れる
Dmのキーで、Gをはさみます。一般的に言えば、そのキーのサブドミナントコードをはさみます。CmであればF、AmであればD。細かい理屈は抜きに、とにかくこのコードを使えます。このコードワークは「ドリアン・スケール」を感じさせる音使いで、メロディーもドリアン・スケールを用いると効果的です。Dmであれば、本来♭がつくはずの「シ」の音をナチュラルで弾きます。
また、後半にリフのフレーズが登場し、さらにファンクっぽさを加速させます。ラの♭の音をひっかけるように演奏するのですが、この音もブラックミュージック特有の音です。スケールの第五音の音が♭します。ファンクのリフを作るときはほぼ必ずと言っていいほど、この「♭5」の音をよく使います。
今回はマイナーキーだけでの解説になってしまいましたが、メジャーキーやブルースの進行でもファンクを作ることができます。ブルース進行のファンクは、こちらで予習しましょう!